尾瀬シーズンの幕開け(春の花・水芭蕉の季節)
山歩きをしていると山間の湿地などで時々見かけるミズバショウ。
出会えれば「今回はすごくラッキー!」って思いますよね。
条件が揃えば中部地方以北の平地でも咲く水芭蕉。数多くの市町村で「市町村の花」として指定されているのは、純白の苞をまとう清楚で愛らしい姿が日本人の嗜好に合うのでしょうね。
そんな人気の水芭蕉が「大群生する姿を見たい」のは当然!
国内には10ヶ所ほどの水芭蕉大群生地があるそうです。
尾瀬での水芭蕉の見ごろは6月初旬
水芭蕉のピークは毎年6月初旬
都市が入梅する頃、尾瀬では遅い春を迎えます。
尾瀬ヶ原で標高1,400m、尾瀬沼は標高1,660m。都心に比べ10℃以上気温が低く、咲き始めの5月末頃は未だ木道や林道に雪が残ります。容易に近づくことは出来ません。
6月に入る頃には足元の状況も大分に良くなります。水芭蕉の魅力に引き寄せられ「見頃を逃すまじ!」と、とても多くのハイカーがと押し寄せます。
これぞ尾瀬!画像でよく見る風景は6月中旬まで
これぞ尾瀬!画像でよく見る風景は6月中旬まで
5月の中旬頃、先ず尾瀬ヶ原周辺から咲き始め、尾瀬沼周辺では数日~1週間遅れで見られるようになります。
大げさに言えば尾瀬中の広範囲で見ることが出来ますが、大群生は次第に密度が薄くなって6月中旬まで、影になるような場所では7月初旬でもその姿をチラチラ見かけます。
6月末頃にはまっ白いはずの苞がくたびれた感じで汚れているように見えることがあります。ちょっと寂しく感じるのは私だけでしょうか…。
ミズバショウの白い苞が花では無く、芯にあるのが小さな花の集合体なのはご存知ですよね。花としての見頃というより、白い苞のある時期ということになります。
葉が大きく茂る中、芯は種子の集合体となって7月末位まで暫くの間残っています。
葉が茂る夏のミズバショウ
水芭蕉は種子から花が咲くまで3年以上かかるそうです。また、冬にすべての葉が枯れますが、次の春にはまた白い苞を開かせるのだそうです。
長い時間を雪の下で次の春を待つミズバショウ。愛らしいですね。